東京大学医学部 健康総合科学科 看護科学専修

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研究紹介

精神衛生・看護学教室

精神看護学は、人の「精神」、「こころ」の健康や、「気持ち」のあり方に広く関わる領域です。精神的困難や、いわゆる「精神障害」や「精神疾患」をもつ人が、もっと自分らしく生きるには?を考えることも、精神障害をもつ人も、もたない人も、より活き活きと暮らすには?を考えることも、精神看護学に含まれます。

「こころ」や「気持ち」、「精神」は、生きている人全てにあるものです。従って、精神看護は、国籍、文化を問わず、どこの地域でも、どのライフステージ(学童期、思春期、青年期、成年・壮年期、老年期などの段階)でも、重要な領域です。また、精神看護学は、こころの健康(メンタルヘルス)に取り組む領域であり、医学、心理学だけでなく、社会学や哲学などとも関わる学際的な領域です。

精神衛生・看護学教室には精神保健学分野と精神看護学分野があります。そのうち精神看護学分野で取り組んでいる研究や実践は多岐に渡りますが、大きく3つに分けることができます。

  • 一つは、「精神健康に困難を有する人のリカバリー」です。ここでいうリカバリーとは、疾患や症状がなくなることや、機能が戻ることを指すのではなく、自分の送りたい人生、ありたい姿へと近づく過程を指していて、この「リカバリー」は、国際的にも重要な考え方となっています。私たちは、精神的困難を抱えている人が、自分にとっての良い状態へと近づいていくために助けとなることを研究し、実践しています。たとえば、精神的困難を有する人が自分の健康を自分で把握し自己管理するプログラムや、自分のありたい状態へと近づいていく場やコミュニケーションの方法についての研究を行っています。
  • 二つめは、「職場のメンタルヘルス」です。働く人たちの心や健康問題に着目し、働いている方達にとって働きやすい職場、より活き活きと働ける環境を研究し、その知識や技術を発信しています。
  • 三つめは、「精神疾患と社会」についてです。精神疾患と呼ばれているものは、文化や社会の中で定義されるものです。また、環境や他者との関わりの中で困難や不調和が強まったり弱まったりするという側面があります。このため、社会の中で、精神疾患はどのように扱われているか、精神疾患はどれくらい発生し、どのような対応がなされているか、それらは社会(あるいは文化や環境)によって違いがあるのか等について研究を行っています。

大学院生や教員だけでなく、学科生も、各自のテーマ(例:アルコールや薬物に依存することについて、自分で自分をケアする方法など)に卒業研究で取り組んでいます。