東京大学医学部 健康総合科学科 看護科学専修

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研究紹介

母性看護学・助産学教室

母性看護学・助産学分野では、母子の健康および女性の生涯を通じた健康を維持・向上することを目指して研究・教育活動を行っています。

女性のライフステージの中でも特に、妊娠・出産・子育て期の健康問題は、女性のその後の健康や家族のみならず社会全体の健康問題にもかかわってきます。現代においても、途上国では妊産婦・乳児死亡率は高く、世界的な問題となっています。一方、日本国内においては出産の高年齢化、ハイリスク妊娠の増加、少子化など未解決の問題が山積しています。母性看護学・助産学は、世界および日本の妊娠・出産・子育てをめぐる課題を解決し、次世代育成に貢献できる学問分野です。妊娠中から出産、子育て中の女性や新生児、家族へのケアを中心に、幅広い研究を行っています。

助産師教育コースでは、講義・実習を通して、専門職としての助産師が行う助産実践に必要な項目(助産師教育のミニマム・リクワイアメンツ*)を学び、妊娠・分娩・産後の母子の助産診断とそれに基づくケア、出産・育児期の家族へのケアを実践する能力を習得することができます。病院だけでなく、助産院など地域に根ざした出産の場での実習もあります。

助産実践能力をもち、臨床現場を改革していくことができる研究者の養成を目指しています。

 

<研究室で実施している研究の紹介>

研究では、母子や女性の健康支援を推進するために、以下3つのステップで研究を実施しています。

<Step1: ニーズ・実態調査>

  • 健康的なライフスタイル(適切な栄養・体重管理・運動・身体活動・睡眠・メンタルヘルス)に関する研究
  • 妊娠中の女性の睡眠に関する実態調査
  • 院内助産・助産師外来における助産ケアの効果に関する研究
  • 出産恐怖感に関する研究
  • 麻酔分娩が新生児の授乳行動に与える影響に関する研究
  • NICU・GCUに入院するハイリスク新生児の発育発達・QOLに関する研

<Step2: 新たなエビデンスの創出>

  • 妊娠期の効果的な栄養指導方法の開発
  • Virtual Reality教材の助産教育に及ぼす学習効果の評価:日豪乳共同研究
  • NICU・GCUにおける医原性皮膚トラブルに関する研究
  • 新生児期の皮膚状態とその後のアレルギー疾患に関する研究

<Step3: 新しいケアプログラムの効果の検証>

  • 妊娠中のマインドフルネスプログラムの介入効果検証
  • 栄養アセスメントに基づく妊婦の栄養指導効果の検証