東京大学医学部 健康総合科学科 看護科学専修

MENU

研究紹介

家族看護学教室

家族看護学は、その名の通り、「家族」を対象とした看護を志向する新しい専門領域です。看護学は、母性看護学、小児看護学、成人看護学、老年看護学といった個人のライフステージに応じた看護を追求するものが主ですが、家族看護学は、個人のどのライフステージにも関わり、「家族」という集合体を看護するという特徴があります。

私たちは、家族看護学を「家族員の健康問題、発達課題、また家族が直面する様々なライフサイクル上に起こり得るイベントによって脆弱性が高まった時に、その家族全体を看護の対象とし、家族が本来持っている力を高めるように支援し、ケアを実践する学問」と定義して、個人や家族のWell-beingを目指して、家族が潜在的・顕在的にもつ力を最大限に引き出せるような仕組みや方法を明らかにするために取り組んでいます。

<研究室で実施している研究の紹介>

家族看護学教室では、大きく4領域の研究を行っています。これらの研究を中心として、様々な状況にある個人と家族のレジリエンスを高める看護や支援を追求し、日本だけでなく世界へと発信しています。

1. 家族形成期のメンタルヘルス

家族形成期にあたる、妊娠、出産、育児という一連の出来事を通して、母親だけではなく父親も含めた精神的支援に関する研究を行っています。

2. 小児がんをもつ子どもと家族

小児がんをもつ子どもと家族は、発症・診断を受けてから、入院・検査・治療、フォーローアップとそれぞれの時期に課題があるため、当事者の視点・価値観にあわせた支援に関する研究を行っています。

3. 小児慢性疾患患者のトランジション

小児慢性疾患患者が成人を迎えるにあたり、自分の疾患を理解し、疾患管理を主体的に行えるようになること(Transition)、また、身体・心理・社会的発達に伴って、適切なタイミングで成人診療科へ移行(Transfer)することを目的に、臨床実践と研究に取り組んでいます。

4. 家族の暴力(Family violence)

暴力がない社会、暴力を受けた当事者が心身・社会的に健康を回復できる社会の実現を目指して、様々な角度から、家族の暴力(Family violence)に関する研究を行っています。